論理力の必要性(1)-小学5年・算数-
===
【問題】
ゆうとくんは、1年前から2万円もするある時計がほしくてたまりませんでした。
その時計は人気が高く、たくさん売れたので、9ヶ月前から定価が1万円になったので、
いよいよその時計を買うための貯金を、1ヶ月700円ずつその日からずっと続けてきました。
今日、街を歩いていると、友達のひろかずくんがやっている時計店で、
この時計を40%引きで売っているのを見かけました。
「これを買いたい!」と思って家に帰ると、
あこがれのさやさんがやっているテレビショッピングで、同じ時計を
「いつもは20%引きのところを、今日だけ、さらに20%引きにします」とやっているのを見かけました。
さて、ゆうとくんは今時計を買うのなら、どちらの店で買い物をすれば安く買えるのでしょう?
次の中から選んで、選んだ理由も説明して下さい。
ア…友達のひろかずくんの店で買う
イ…あこがれのさやさんの店で買う
ウ…どちらの店で買ってもよい
エ…どちらの店でも買うことはできない
ただし、消費税は考えないものとします。
===
最近の傾向(特に全国学力調査や浜松市の新学力調査、浜松西高中等部入試、静岡県公立高校入試など)を踏まえて、
戸田がオリジナルで考えてみた問題です。
出題する際に意識したことを並べてみます。
まず、論理力以前の問題の前に、「やたら問題文が長い」…これが最近(特に静岡県)の傾向です。
字数が長いだけで、勉強が苦手な子はまず問題を読むことがイヤになってしまいます。
加えて、余計な情報に惑わされて、どうでもいい情報を切り捨てずに真剣に悩んでしまう子もいるでしょう。
今回の場合、「1年前は2万円だった」ことなどは問題を解くにあたりどうでもいいのですが、
これも考える材料に入れて真剣に悩んでしまう子、意外と多いと思います。
極端な事例だと、「友達の店で買ってあげた方が喜ぶ」とか「あこがれのさやさんの方がいいから」とか、
(数学的には)まったくどうでもいい理由で答えを選ぶ子もいる…これが現状です。
子ども達に問題を難しく「見せる」出題者側のワナに、まんまとひっかかってしまうのです。
さて、ここからが算数的な(論理的な)思考力が試される本題です。
さやさんのお店の「20%引きにさらに20%引き」は、
一見「20%引き+20%引き=40%引き」だから、
ひろかずくんのお店の「40%引き」と変わらない…と安直に考えがちです。
しかし、最初から「40%引き」しているひろかずくんのお店と、
「20%引きしてからさらに20%引き」するさやさんのお店では、
実は計算方法が異なるのです。
まず、前提として割引の概念から。
「40%引き」は、全体を100%として考えるので、
100%-40%=60%
つまり、定価の60%で買えることを理解しましょう。
元の値段を1として考えると、60%=60/100(100分の60)=0.6倍となるので、
定価×0.6で売値を求められます。
同じようにして、「20%引き」=「定価の80%」=定価×0.8で売値を求められます。
それでは、それぞれのお店の売値を求めましょう。
【ひろかずくんのお店】
10000円]×0.6=6000円
【さやさんのお店】
通常の売値は10000円×0.8=8000円
今日に限りさらに20%引きなので、
8000円×0.8=6400円
→「ひろかずくんのお店の方が安い」ということです。
最後に、「本当に買えるのか」の確認です…つまり、貯金があるかです。
1ヶ月700円×9ヶ月=6300円の貯金があるので、
ひろかずくんのお店でなら買えますが、さやさんのお店では買うことができないのです。
【答え】
ア
【理由】
ひろかずくんのお店では6,000円,さやさんのお店では6,400円で売っている。
9ヶ月で貯金した金額は6,300円なので、ひろかずくんのお店でなら買えるから。
(一部省略)
===
このような、算数の思考力(考え方)は、算数の学習でももちろん培っていくべきものですが、
それ以前に日本語(国語)の論理力があって初めて算数的に考えられるものです。
いわば、論理力なくして算数の学力を伸ばしていくことには、限界があります。
小学生の算数でも論理力が必要であるのなら、
中・高校生の数学においては、さらに論理力が重要なのは言うまでもありません。
スタディルームが「論理エンジン」を導入して国語力・論理力を身につけられるようにしたのには、
こうした国語以外の科目における学力を伸ばすために必要なのは、日本語の理解能力だと確信したからです。
中・高校生の学習で意外と(最も?!)おろそかにされやすい国語学習、
スタディの「論理エンジン」で始めてみませんか?
浜北の学習塾・スタディルーム
塾長 戸田光彦
【問題】
ゆうとくんは、1年前から2万円もするある時計がほしくてたまりませんでした。
その時計は人気が高く、たくさん売れたので、9ヶ月前から定価が1万円になったので、
いよいよその時計を買うための貯金を、1ヶ月700円ずつその日からずっと続けてきました。
今日、街を歩いていると、友達のひろかずくんがやっている時計店で、
この時計を40%引きで売っているのを見かけました。
「これを買いたい!」と思って家に帰ると、
あこがれのさやさんがやっているテレビショッピングで、同じ時計を
「いつもは20%引きのところを、今日だけ、さらに20%引きにします」とやっているのを見かけました。
さて、ゆうとくんは今時計を買うのなら、どちらの店で買い物をすれば安く買えるのでしょう?
次の中から選んで、選んだ理由も説明して下さい。
ア…友達のひろかずくんの店で買う
イ…あこがれのさやさんの店で買う
ウ…どちらの店で買ってもよい
エ…どちらの店でも買うことはできない
ただし、消費税は考えないものとします。
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最近の傾向(特に全国学力調査や浜松市の新学力調査、浜松西高中等部入試、静岡県公立高校入試など)を踏まえて、
戸田がオリジナルで考えてみた問題です。
出題する際に意識したことを並べてみます。
まず、論理力以前の問題の前に、「やたら問題文が長い」…これが最近(特に静岡県)の傾向です。
字数が長いだけで、勉強が苦手な子はまず問題を読むことがイヤになってしまいます。
加えて、余計な情報に惑わされて、どうでもいい情報を切り捨てずに真剣に悩んでしまう子もいるでしょう。
今回の場合、「1年前は2万円だった」ことなどは問題を解くにあたりどうでもいいのですが、
これも考える材料に入れて真剣に悩んでしまう子、意外と多いと思います。
極端な事例だと、「友達の店で買ってあげた方が喜ぶ」とか「あこがれのさやさんの方がいいから」とか、
(数学的には)まったくどうでもいい理由で答えを選ぶ子もいる…これが現状です。
子ども達に問題を難しく「見せる」出題者側のワナに、まんまとひっかかってしまうのです。
さて、ここからが算数的な(論理的な)思考力が試される本題です。
さやさんのお店の「20%引きにさらに20%引き」は、
一見「20%引き+20%引き=40%引き」だから、
ひろかずくんのお店の「40%引き」と変わらない…と安直に考えがちです。
しかし、最初から「40%引き」しているひろかずくんのお店と、
「20%引きしてからさらに20%引き」するさやさんのお店では、
実は計算方法が異なるのです。
まず、前提として割引の概念から。
「40%引き」は、全体を100%として考えるので、
100%-40%=60%
つまり、定価の60%で買えることを理解しましょう。
元の値段を1として考えると、60%=60/100(100分の60)=0.6倍となるので、
定価×0.6で売値を求められます。
同じようにして、「20%引き」=「定価の80%」=定価×0.8で売値を求められます。
それでは、それぞれのお店の売値を求めましょう。
【ひろかずくんのお店】
10000円]×0.6=6000円
【さやさんのお店】
通常の売値は10000円×0.8=8000円
今日に限りさらに20%引きなので、
8000円×0.8=6400円
→「ひろかずくんのお店の方が安い」ということです。
最後に、「本当に買えるのか」の確認です…つまり、貯金があるかです。
1ヶ月700円×9ヶ月=6300円の貯金があるので、
ひろかずくんのお店でなら買えますが、さやさんのお店では買うことができないのです。
【答え】
ア
【理由】
ひろかずくんのお店では6,000円,さやさんのお店では6,400円で売っている。
9ヶ月で貯金した金額は6,300円なので、ひろかずくんのお店でなら買えるから。
(一部省略)
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このような、算数の思考力(考え方)は、算数の学習でももちろん培っていくべきものですが、
それ以前に日本語(国語)の論理力があって初めて算数的に考えられるものです。
いわば、論理力なくして算数の学力を伸ばしていくことには、限界があります。
小学生の算数でも論理力が必要であるのなら、
中・高校生の数学においては、さらに論理力が重要なのは言うまでもありません。
スタディルームが「論理エンジン」を導入して国語力・論理力を身につけられるようにしたのには、
こうした国語以外の科目における学力を伸ばすために必要なのは、日本語の理解能力だと確信したからです。
中・高校生の学習で意外と(最も?!)おろそかにされやすい国語学習、
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浜北の学習塾・スタディルーム
塾長 戸田光彦
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