【私立高校入試】高倍率なのに大丈夫なの?!…静岡県の私立高校入試の実情を紐解きます。
浜北の学習塾・スタディルームのとだです。
▼中3・高3受験生は当塾オリジナルの絵馬で願掛けしました!
(オリジナル絵馬は卒業生のお父さんが経営されている株式会社KPIさんで作ってもらいました)
昨日・一昨日で令和初の私立高校入試が済みましたね。
スタディでは、私立高校入試直前の土曜に「私立直前模擬」と称する模試を行い、
受験パターン別(3科目or5科目/面接ありorなし)で私立高校入試のリハーサルを行いました。
スタディのオリジナル模試なので、多くの私立高校の出題傾向に合わせて実施、
試験時間も1科目50分、100点満点で行いました…服装も制服にして、本番さながらの雰囲気を出しました。
幸い、今まで受験してきた静岡模試よりも得点を多くとる子達も多く、
直前の仕上げとしては自信をつける良い経験ができたと思っています。
入試の前日には壮行会を行い、中3受験生25名が、スタッフ一人一人の激励メッセージを
真剣な眼差しで聞いてくれました…中には涙を流してしまう女の子も。
さて、私立高校入試の志願倍率が新聞等で発表されていて、
公表値では、志願倍率が5倍に近い値が出ている高校もあり、
これで本当に合格できるの?…と心配される方もいらっしゃるのかな、と思います。
今日はこの「本当に合格できるの?」という謎に迫りたいと思います。
まずはあらためて、浜松市内の私立高校の志願倍率を見てみましょう。
===
学科名・募集定員・志願者数・志願倍率
▼浜松学院 ※
普通 280 1319 4.71
▼浜松修学舎 ※
夢みらい 105 160 1.52
ビジネス 105 414 3.94
福祉 35 63 1.80
▼浜松開誠館 ※
普通 280 894 3.19
▼浜松学芸 ※
普通 256 1016 3.97
芸術 70 76 1.09
▼西遠女子 ※
普通 180 89 0.49
▼浜松聖星
普通 200 577 2.89
▼浜松日体 ※
普通 320 1305 4.08
▼聖隷クリストファー ※
英数 94 137 1.46
普通 200 961 4.81
▼オイスカ
普通 180 223 1.24
▼浜松啓陽
情報コミュニケーション 200 488 2.44
===
【注】※の学校の募集定員は、付属中学からの進学予定者を含む。
さて、私立高校の受験生は、大きく分けて「単願」と「併願」に分けられます。
単願は、他の(私立高校はもちろん)公立高校は受けないことを条件に受験する方、
そして併願は、他の公立高校を第一志望として受験する方を指します。
私立高校側としては、もちろん「単願」で受けてくれた方が嬉しいわけで、
一般的には「単願」で受験した方が「合格しやすい」とも言われています。
できる限り「単願」の受験生で入学定員を確保できることを目標に頑張っています。
しかし、静岡県の私立高校の多くは、単願生のみで入学定員を確保することは難しいのが現状です。
つまり、単願の受験生だけで志願倍率を出した場合、1倍を切ってしまうことがほとんどなのです。
そして、単願生だけで定員確保できなかった枠は、併願生の合格者の中で、
残念ながら公立高校入試で不合格になってしまった子に入学してもらうことで、定員を確保しようとします。
それでは、公立高校入試で不合格になってしまう方は、どのくらいいるのでしょうか?
ここ数年の公立高校の平均入試倍率は1.05~1.10倍くらいで変化しています。
仮に1.10倍だったとすると、11名が受験して10名が合格、1名が不合格になる計算です。
つまり、公立高校受験生のうち1/11(11分の1)、つまり9%程度の子達が私立高校に戻って入学します。
意外と併願生で私立高校に入学することは、実際には少ないんですね。
逆に捉えると、私立高校は、単願生で不足している人数を確保するためには、
併願生で不足数の11倍程度の合格者を出さないと、定員は確保できない…ということになります。
(例)A高校 定員300名のうち、単願生210名(7割)が合格した場合
→併願生で90名を入学させたい場合、その11倍の990名を併願者から合格させなければ定員確保できません。
→単願と合わせて1200名の合格者を出すことができる
…というわけです。
単願生だけでどの程度の受験生を集められるか…は、学校によって異なります。
単願生が9割を超える学校もあれば、5割を切ってしまう学校もあります。
上の例は、そういう観点でいえば一般的(平均的)な私立高校でのシミュレーションになりますが、
単願生が少ない学校ほど、併願者は空き枠の何倍もの合格者を出さなければいけないわけです。
(逆に単願者が多い学校は、併願者の合格者数を抑えなければいけないこともあります)
したがって、新聞等で公表されている表面的な倍率だけでは、実際にその高校入試の難易がわからないのです。
単願・併願の数が公表されれば、上記のようなシミュレーションができるわけですが、
実際には単願・併願の数までは、残念ながら公表されていません。
しかしながら、上記シミュレーションでもわかるように、
一般的に私立高校は「倍率の4倍程度は合格者を出す」というふうに考えても差し障りはないかと思います。
ですから、静岡県の私立高校入試は、事実上「絶対評価」になっているのでは…と私は考えています。
つまり、合格基準に乗っている受験生は合格、そうでない受験生は不合格…という感じです。
検定試験に近い形、ですね…ただし、合格基準は検定と異なり(当たり前ですが)非公表、ということですね。
だから、学校の先生が勧めてくれた高校を受験していれば、基本的に不合格になることは少ないと思います。
学校の先生の言うことを聞かないで、内申点が十分ないまま受験をしている場合や、
当日の試験で、学力検査の得点が著しく低かった場合や、面接試験で著しく不適切な対応をとった場合などには、
もちろん不合格になるかと思います…いくら定員が確保できていなくても、誰でも合格にするわけにはいきませんよね。
(高校側としては、定員確保も大事ですが、教育目標に適う学校運営をするにあたりそれを妨げる子を合格させるわけにはいきません)
今年の試験結果は来週金曜(2月14日)に発表となります。
それまでの期間、試験結果が気になって落ち着かないという人もいるかとしれませんが、
済んだ試験の結果を案じていても、試験結果が変わるわけではありません。
「人事を尽くして天命を待て」…とにかく今は忘れて、今できることを精一杯やっておくことが一番かと思います。
幸い、来週はほぼすべての中学校で学年末テストもありますので、引き続き学業に勤しみ自己研鑽に努めてくださいね。
何かの参考になれば幸いです。
===
浜北の学習塾・スタディルーム
塾長:戸田みつひこ
(北浜中・浜松北高・関西大卒)
TEL:053-584-3135
※メールは当ウェブの「メッセージを送る」よりどうぞ
▼中3・高3受験生は当塾オリジナルの絵馬で願掛けしました!
(オリジナル絵馬は卒業生のお父さんが経営されている株式会社KPIさんで作ってもらいました)
昨日・一昨日で令和初の私立高校入試が済みましたね。
スタディでは、私立高校入試直前の土曜に「私立直前模擬」と称する模試を行い、
受験パターン別(3科目or5科目/面接ありorなし)で私立高校入試のリハーサルを行いました。
スタディのオリジナル模試なので、多くの私立高校の出題傾向に合わせて実施、
試験時間も1科目50分、100点満点で行いました…服装も制服にして、本番さながらの雰囲気を出しました。
幸い、今まで受験してきた静岡模試よりも得点を多くとる子達も多く、
直前の仕上げとしては自信をつける良い経験ができたと思っています。
入試の前日には壮行会を行い、中3受験生25名が、スタッフ一人一人の激励メッセージを
真剣な眼差しで聞いてくれました…中には涙を流してしまう女の子も。
さて、私立高校入試の志願倍率が新聞等で発表されていて、
公表値では、志願倍率が5倍に近い値が出ている高校もあり、
これで本当に合格できるの?…と心配される方もいらっしゃるのかな、と思います。
今日はこの「本当に合格できるの?」という謎に迫りたいと思います。
まずはあらためて、浜松市内の私立高校の志願倍率を見てみましょう。
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学科名・募集定員・志願者数・志願倍率
▼浜松学院 ※
普通 280 1319 4.71
▼浜松修学舎 ※
夢みらい 105 160 1.52
ビジネス 105 414 3.94
福祉 35 63 1.80
▼浜松開誠館 ※
普通 280 894 3.19
▼浜松学芸 ※
普通 256 1016 3.97
芸術 70 76 1.09
▼西遠女子 ※
普通 180 89 0.49
▼浜松聖星
普通 200 577 2.89
▼浜松日体 ※
普通 320 1305 4.08
▼聖隷クリストファー ※
英数 94 137 1.46
普通 200 961 4.81
▼オイスカ
普通 180 223 1.24
▼浜松啓陽
情報コミュニケーション 200 488 2.44
===
【注】※の学校の募集定員は、付属中学からの進学予定者を含む。
さて、私立高校の受験生は、大きく分けて「単願」と「併願」に分けられます。
単願は、他の(私立高校はもちろん)公立高校は受けないことを条件に受験する方、
そして併願は、他の公立高校を第一志望として受験する方を指します。
私立高校側としては、もちろん「単願」で受けてくれた方が嬉しいわけで、
一般的には「単願」で受験した方が「合格しやすい」とも言われています。
できる限り「単願」の受験生で入学定員を確保できることを目標に頑張っています。
しかし、静岡県の私立高校の多くは、単願生のみで入学定員を確保することは難しいのが現状です。
つまり、単願の受験生だけで志願倍率を出した場合、1倍を切ってしまうことがほとんどなのです。
そして、単願生だけで定員確保できなかった枠は、併願生の合格者の中で、
残念ながら公立高校入試で不合格になってしまった子に入学してもらうことで、定員を確保しようとします。
それでは、公立高校入試で不合格になってしまう方は、どのくらいいるのでしょうか?
ここ数年の公立高校の平均入試倍率は1.05~1.10倍くらいで変化しています。
仮に1.10倍だったとすると、11名が受験して10名が合格、1名が不合格になる計算です。
つまり、公立高校受験生のうち1/11(11分の1)、つまり9%程度の子達が私立高校に戻って入学します。
意外と併願生で私立高校に入学することは、実際には少ないんですね。
逆に捉えると、私立高校は、単願生で不足している人数を確保するためには、
併願生で不足数の11倍程度の合格者を出さないと、定員は確保できない…ということになります。
(例)A高校 定員300名のうち、単願生210名(7割)が合格した場合
→併願生で90名を入学させたい場合、その11倍の990名を併願者から合格させなければ定員確保できません。
→単願と合わせて1200名の合格者を出すことができる
…というわけです。
単願生だけでどの程度の受験生を集められるか…は、学校によって異なります。
単願生が9割を超える学校もあれば、5割を切ってしまう学校もあります。
上の例は、そういう観点でいえば一般的(平均的)な私立高校でのシミュレーションになりますが、
単願生が少ない学校ほど、併願者は空き枠の何倍もの合格者を出さなければいけないわけです。
(逆に単願者が多い学校は、併願者の合格者数を抑えなければいけないこともあります)
したがって、新聞等で公表されている表面的な倍率だけでは、実際にその高校入試の難易がわからないのです。
単願・併願の数が公表されれば、上記のようなシミュレーションができるわけですが、
実際には単願・併願の数までは、残念ながら公表されていません。
しかしながら、上記シミュレーションでもわかるように、
一般的に私立高校は「倍率の4倍程度は合格者を出す」というふうに考えても差し障りはないかと思います。
ですから、静岡県の私立高校入試は、事実上「絶対評価」になっているのでは…と私は考えています。
つまり、合格基準に乗っている受験生は合格、そうでない受験生は不合格…という感じです。
検定試験に近い形、ですね…ただし、合格基準は検定と異なり(当たり前ですが)非公表、ということですね。
だから、学校の先生が勧めてくれた高校を受験していれば、基本的に不合格になることは少ないと思います。
学校の先生の言うことを聞かないで、内申点が十分ないまま受験をしている場合や、
当日の試験で、学力検査の得点が著しく低かった場合や、面接試験で著しく不適切な対応をとった場合などには、
もちろん不合格になるかと思います…いくら定員が確保できていなくても、誰でも合格にするわけにはいきませんよね。
(高校側としては、定員確保も大事ですが、教育目標に適う学校運営をするにあたりそれを妨げる子を合格させるわけにはいきません)
今年の試験結果は来週金曜(2月14日)に発表となります。
それまでの期間、試験結果が気になって落ち着かないという人もいるかとしれませんが、
済んだ試験の結果を案じていても、試験結果が変わるわけではありません。
「人事を尽くして天命を待て」…とにかく今は忘れて、今できることを精一杯やっておくことが一番かと思います。
幸い、来週はほぼすべての中学校で学年末テストもありますので、引き続き学業に勤しみ自己研鑽に努めてくださいね。
何かの参考になれば幸いです。
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