★2022公立高校入試★ 各高校の不合格者数を計算してみた-最新情報から志願変更を考えるかどうかのヒント-

浜北の学習塾・スタディルームの戸田です。

★2022公立高校入試★ 各高校の不合格者数を計算してみた-最新情報から志願変更を考えるかどうかのヒント-
(過年度の合格パーティーより)

2022年度の公立高校入試の願書が今日正午に〆切となり、
夕方には各高校の志願倍率が発表となりました。
→静岡新聞のホームページ「アットエス」公立高校入試倍率(西部)はこちら


浜北周辺からの受験生がいる主な高校について、志願者数から定員を差し引いた人数、
つまり理論上の「不合格者数」を計算し、不合格者数の多い順に並べてみました。
例年(昨年度を除く)、この情報を書いてみると、普段のアクセス数の10倍以上のPVがあり、
やはり具体的な高校入試の評価やシミュレーションは興味のある方が多いようなので、
今年度もデータを更新して、私なりの見解を書かせて頂きます。
参考にして頂けたら幸いです。

それでは、今日現在の「不合格者数」です。
(志願者数-定員で計算)
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●浜松市立…117名不合格
●浜松北…86名不合格
●浜松湖南…53名不合格
●浜松南…44名不合格
●浜松湖北…41名不合格
●浜松工業…29名不合格
●浜松西…26名不合格
●浜名…11名不合格
●浜松大平台…10名不合格
●浜北西…4名不合格
===
ここ数年、公立高校入試の志願倍率は低めで、不合格者数もそんなに多くはありません。
その主な原因は、私立高校の就学支援金制度が充実してきた関係で「私立単願」が多くなっていることです。

ただ、例年と大きく異なるのは、いわゆる高倍率校の受験生の激減と、
真ん中より少し上と、真ん中より少し下の高校の倍率アップが顕著になっている点です。
●浜松北が激減→浜松市立が例年にもまして増
●浜松南が激減→浜松湖南が増
●浜松工業,浜松湖北が増

これは、今年度から新学習指導要領施行に伴い、通信票のつけ方が従来の4観点から3観点に変わった結果、
5が4に、4が3に、2が3になるケースが増え、上位層が下がり下位層が上がってきて、
内申点の開き具合が小さくなってしまったことが原因と考えられます。
例えば、北高を狙っていた子達の内申点が下がった結果、市立へ志望校を変更している子達がある程度いたり、
南高を狙っていた子達の内申点が下がった結果、湖南へ志望校を変更している子達も一定量いるものと思われます。
…一部は私立単願にも流れていると考えていますが。
→通信票のつけ方が変わった話はこちらを参照してね。

これだけの子達が不合格になる…と初めて見る方にはかなり多めに感じるかもしれませんが、
実際にはここ数年、公立高校入試の志願倍率は下がる一方で、不合格者数は減っています。
「こんなにもいるのに…」と思うかもしれませんが、毎年見ている私達からすると、驚くほど減っています。
一方で、不合格者数の多い高校と、そうでない(=定員割れを起こしている)高校との差が大きくなっているのも確かです。
次の高校は、今回の入試で(現時点で)定員割れを起こしている高校です。
===
●天竜(38名空き)
●浜松江之島(27名空き)
●浜松商業(21名空き)
●浜松湖東(21名空き)
●浜松東(12名空き)
●浜松城北工業(6名空き)
===
こんなにも多くの高校で定員割れを起こしている事態は、5年前には考えられませんでした。
(これでも城北工業は例年に比べると頑張って受験者数を増やしています)
どうしてこんなにも受験者数に大きな差が開いてしまうのでしょう?

その理由・要因として、私が考えるところは例年の3つに加え、今年度はさらにもう一つあります。

●一つめは、単純に公立高校に人気校と不人気校の大きな格差ができてしまっていること。
●二つ目は、学力階層の二極化が顕著になり、中間層の浜松湖東・浜松城北工あたりの学力層が少ない代わりに、
 それよりも少し高い浜松湖南・浜工の学力層と、少し低い浜松湖北あたりの学力層が多くなっていること。
●三つ目は、やはり就学支援金制度の拡充のせいで、
 「もし公立が落ちたら私立に行けばいいや」と思う人が増え、第一志望を緩めない「強気の出願」が増えていること。
●さらに今年度はもう一つ、通信票のつけ方が変わってしまったために
 内申点の散らばり具合が小さくなってしまったことも、後押ししているものと考えられます。

そして、これらの現象はますます拍車がかかってくるのでは…というふうに思います。

私立高校の就学支援金が拡充されると、私立の倍率が上がり公立の倍率が下がるのは理解しやすいです。
しかしそれだけではなく、「万が一の時に私立高校に行きやすくなる」ということは、第一希望を緩めずに挑戦する子達が増えて、
今まで敬遠されてきた人気校の倍率が上がり、そうでない学校の倍率が下がるという、
いわば「公立高校間格差」が生まれてしまう…というのがここ数年の出願結果からわかります。
こう考えると、公立高校も真の意味で「競争社会」になっていき、淘汰されていくことが予想されます。
これからは倍率の高い学校はさらに高く、倍率の低い学校はさらに低くなる可能性が否定できませんね。

さて、静岡入試の県共通枠受験(一般的な入試選抜)では、学力検査の結果比較をする前の前段階として、
「内申点の高い方から定員までに絞り込んだ」上で、学力検査の結果の上位75%を合格とします。
そのため、倍率が高いほど内申点で絞り込まれる受験生の割合が小さくなるため、
内申点が高い受験生が有利になります。
一方で、倍率が低い学校であれば、内申点での絞り込みが事実上行われないため、
学力検査の結果が高い方が有利になります。

倍率の高い高校を受ける受験生の方は、このしくみをよく理解した上で、
自分の内申点で勝ち残れるかを十分に検討してみると良いかと思います。
内申点の上位何パーセントまで絞り込みが行われるのか…を計算してみると良いと思います。

一方で、定員割れの高校を受験する場合、上にも書いたとおり、県共通枠受験においては
内申点での絞り込みが事実上行われないため、
第一段階では学力検査の結果のみで選抜されると考えて良いと思います。
もっとも、定員割れをしているということは、全員合格にすることも理論上は可能です。
高校側としても定員確保は重要なので、全員合格させたいという本音もあります。
しかし、やはり
●学力検査の結果、その高校で3年間頑張っていけるだけの学力が身についていると言えない
●面接の結果、人としてその高校にそぐわない
と判断された場合は、定員割れをしていても不合格者を出しています。
実際に、毎年定員割れを起こしている天竜高校では、毎年数名の不合格者を出していますし、
昨年度は浜北西高校で、定員より1名多かった受験者を不合格にするという悲惨な事例も出ています。
油断は禁物です。

定員割れを起こしていても、決してその高校の人気がないわけではありません。
もちろん人気はあるのだけれど、不合格になるのを恐れて敬遠し、他校に変えている場合もあります。
特に今年は人気の浜商でも定員割れで、例年に比べると(内申点がボーダーレスになり)易化するのでは…と思います。
つまり、内申点が低くても本番の得点で高得点がとれる自信があれば、受験できるチャンスなのです。
内申点が足りなくて浜商をあきらめている皆さんにとって、今年はもしかしたら合格できるチャンスがあるかもしれません。

さて、これらを踏まえて、静岡の公立高校入試では、来週火・木曜(水曜は祝日休業)で「志願変更」を受け付けており、
出願校はもちろん、学科の変更などができます。
もっとも、考えに考え抜いて受験校を決めてきているので、99%以上の受験生は変更せずに受験するのですが、
今回の倍率の状況を見て、受験先を移動する子達がいるため、
また来週の木曜夕方に「最終倍率」が発表されます。
大きな変化はないと思いますが、最終倍率にも注目したいところです。

志願変更をしようと思っている方は、メリット・デメリット面を十分に理解し納得した上で、
早めに学校の先生に相談するようにしましょう。
学校の先生に相談する前に、もう少し詳しい話を聞きたい方は、スタディルーム・戸田までお声がけ下さい。

===
浜北の学習塾・スタディルーム
塾長:戸田光彦
TEL:053-584-3135
(メールはこのサイトの「お問い合わせ」または「メッセージを送る」からどうぞ

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